異色の経歴のマルチクリエイター

1988年愛知県生まれ。フォルテシモンは活動名。FiveHeartsは屋号となっている。

幼少期より7年間ピアノを習い、高校生の時にパソコン部にてゲーム制作と出会う。文化祭に体験版を出展するも
ゲームとしては完成させることができなかった。失敗の原因は色々あったが、大学時代になり、
まずは自分にできることからやろうと楽曲制作の勉強をはじめる。
丁度VOCALOD初音ミクが発売されたころの事だった。
思い返せばこのころ私は理論や技術に溺れ、リスナーの方を向いていなかったと思う。
技術的に未熟なボカロPの動画が私の動画より再生数が伸びていることが悔しかったが、
そういった動画には拙いながらPVが付いていることが多かった。
私はこれからは動画の時代がくると確信し、バイト代をはたいてAdobeのMastercollection学生版を購入した。
動画制作技術を身に付けると、次はちゃんとした活動ホームページが欲しくなった。
この頃はニコニコドリームを掴みプロになられたsupercellのryoさんに憧れていた。
ryoさんのホームページはFlashでできており、演出も見事だった。またデザイナーなど分業体制も整っていた。
私はオンラインで仲間を募りサークルを立ち上げ、(解散済み)仲間たちの楽曲をホームページ上で公開するため
Webアプリケーション『WebTunes』をオブジェクト指向型言語であるActionScript3.0で開発。
当時斬新だったApple社のiTunesのカバーフローシステムとアルバムシステムを
Webアプリに落とし込んだものとしては最初だったはずだ。
そしてより高いクオリティを楽曲制作目指すために、ギターやベースやバイオリンの演奏を独学した。

学業の方は岡山大学大学院医用情報理工学分野を卒業している。MRIの基礎研究を行っていたが
化学と物理と情報工学が混然一体となったような分野だ。
特別に許可を得て日中は工学部の授業に潜り込み、夕方から大学院の講義を受け、
研究棟で0時近くまで研究を続け、週末は居酒屋で8~13時間のバイトを続けていた。
時はiPhone4Sの頃。3G回線の電波の受信など、通信の基礎を学び、データベースの基礎もここで触れた。
あまり社会的に注目はされてないがITバブル崩壊やリーマンショックの金融危機に伴う一時的な
就職氷河期が2009年~2013年にある。私は医療機器メーカーなどの開発やサポートを志すも全滅。
取得していた診療放射線技師の資格を活かし地元の病院にかろうじて技師として就職することができた。

医療職が多忙であることは想像に難くないと思うが、例に漏れず多忙を極めた。
そのため私は自然と創作活動から徐々に離れていった。
全国平均の3倍の業務量は私の精神を破壊するには十分だった。現場5年目、私は統合失調症を発症した。
発症後は症状のひとつである『興味の喪失』により創作活動を完全にやらなくなっていた。
そこへ一人の医師から転機となる依頼が入る。『恩師の送別会に流す動画を作って欲しい』というものだった。
以前、別の医師のために作ったことのあった、結婚式の二次会の余興動画の噂を聞きつけての依頼だった。
私はそれを渋々受けたが、その医師は休日に私の自宅に来て直接細かい指示を出すほど熱心だったため
その熱意に答えようとできる限りの対応をした。そして送別会のあと
『ありがとう。君のおかげで最高の送別会になったよ』と言ってもらえたことがきっかけで
創作活動への興味が戻り始めたのである。
それから4年間病気を隠しながら働いていたが、徐々に思うように動かなくなっていく体に危機感を覚え
私はYouTube動画編集の請負を始めた。在宅でできる業務スキルを身に付けることが急務だったからだ。
そして体が限界を迎えて退職、実家に戻り、障害年金を頂きながら生活を始めたのが2021年11月。

それから半年くらいはダラダラと過ごしていた。
なんとなく小説家の真似事をし、ストーリーテリングを学んだり
なんとなくイラストの通信講座を受講してみたり……。
でもこのままでは人としてダメになってしまうとも感じていた。
そこで資産性のあるものを作りたいと考え、
LINEと決済システムSpriteを組み合わせたマーケティングシステム
『オートウェビナーL』を開発するも全く売れずサービス終了。
2022年になりAIにイラストを描かせるサービスが各社から登場すると、私はふとした事に気が付いた。
音楽、動画、イラスト、シナリオ、オブジェクト指向のプログラム、サーバーサイドプログラム
私の持つすべての技術を使えばソーシャルゲームが作れるのではないか?ということに。
学生時代に完成させられなかったゲームというものを今なら作るれるのではないか?
私は全ての受託案件を止め、インディーゲーム開発に賭けることにした。